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細河小・伏尾台小の存続を求める請願、日本共産党のみの賛成で不採択に

 12月19日の池田市議会本会議で、「請願」の採決が行われた際の賛成討論を掲載します。 

 私は、日本共産党議員団を代表して、受付番号9、細河小学校の早期の耐震化と細河小学校・伏尾台小学校の存続を求める請願について、ただいまの委員長報告に反対、請願の採択に賛成の立場で討論を行います。
 今回の請願は、小南市長が6月議会で「細河小中一貫校については、地元住民の賛成・反対の意見を肌で感じて自ら判断し決定する」と表明されたことから、地元住民が署名を集めて請願を提出したものであり、署名数3114筆、うち細河・伏尾台地域での2424筆は、多くの地元住民の意思が反映されたものであります。
 11月25日の住民説明会では、細河の連合自治会長や他の自治会長が「細小は地域の中にあってこそ価値がある。138年続いた学校を簡単になくすわけにはいかない」「小学校がなくなれば若い人が来なくなり、確実に人口が減り、細河は衰退する」と発言するなど、小学校の存続を求める切実な声が出されました。そのほか多くの住民から市長・教育長へ要望が出ていることからみても、今回の学校統廃合計画は住民の理解と合意がないことは明らかであります。特に、細河地域では圧倒的に統廃合反対の意見が強く、拙速な小中一貫校計画の推進は住民無視との非難を免れません。
 委員会審議の中で、市長は、「教育の専門家である教育委員会が決めたことだから尊重しなければならない」と発言されましたが、昨年6月にこの計画が公表される前の教育委員会議では議題にもならず、正式な決定はなされなかったことはすでに明らかになっています。
 また、請願が「細河小学校が廃校になれば、地域のまちづくりの核がなくなり、避難所としての機能・役割が失われ、地域の衰退につながる」と指摘していることについて質したところ、「細河地域は市街化調整区域であり、今後10年から15年の間に市街化区域に変更される予定はないので児童数の増加は見込めない」との答弁がありました。しかし、平成30年度の児童数の推計を見ても、細河小145人、伏尾台小163人と、都市部を除くと全国的にもほぼ平均的な規模であり、統廃合しなければならないほどの小規模とはいえません。国際的にみても、フランス・フィンランド・ギリシャなどの学校は100人前後となっており、WHO(世界保健機関)は、子どもの教育機関としては100人を上回らない規模を提唱しています。細河地域では、豊かな自然を生かして、小規模校でこそできるきめ細かな教育、少人数学級で一人ひとりに行き届いた教育をすすめ、子どもたちの成長を保障すべきです。
 また、細小が廃校になり細中に通うことになると、木部交差点から4.2km、新町と接する木部新宅からはもっと遠くなり、小学1年生からこの距離を通学しなければなりません。長距離通学と安全の問題に対しては、「バスの配車を考えている」と答えるのみで具体的な計画・安全対策は示されませんでした。
 小学校1年生から中学3年生まで狭い校舎に押し込められ、クラブ活動と放課後の遊び場所など運動場の使用をどうするのか、小中の文化や発達段階の違いを無視した教育のあり方など小中一貫校への不安・疑問は解決されていません。
 中1ギャップ解消・いじめ・不登校をなくすといって施設一体型小中一貫教育を推進している品川区のある小中一貫校では、今年2月に小学6年生が自殺、9月には中学1年生がいじめによって自殺、他の小中一貫校の中学生がマンションから飛び降りるなどの事件が相次いでおり、人間関係が固定化する小中一貫校が子どもたちへ悪影響を及ぼしているのではないかと危惧されています。豊島区では、「品川みたいにすると荒れる」との反省から、小学校と中学校を同一校舎で完全に分離し、プールとランチルーム以外は校庭も学校生活も別々にしているそうです。
 私どもは、小中の連携は必要と考えています。東京の東久留米市は、近隣の小学校と中学校が無理のない程度の小中連携教育を実施しています。本市においても、小学校を廃校にして中学校に統合するという無理な一体化を進めるのではなく、これまで実践してきた小中連携教育をこれからも大いに進めていくべきと考えます。
 最後に、細河小学校の早期耐震化についてでありますが、細河小学校の校舎は、耐震大規模改造工事を行えばこれからも安全に使用できると考えます。老朽化した池田小学校を耐震・大規模改修で長寿命化を図ったように、細河小学校の廃校を見直し、早期に耐震化を図るべきであります。
 市長は、「25年度予算に計上するかどうかは来年1月以降に決める」と言明されました。小学校を残して欲しいという地元住民の意思を尊重し、池田の子どもと教育を守り発展させるためにも、今回の統廃合計画を見直し、細河小学校・伏尾台小学校を存続させるよう求め、本請願の採択に賛成の討論といたします。

by susumu_namba | 2012-12-23 11:04  

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